ダイの大冒険特集―噛ませとか言うなああああ!!! 獣王(先代)の男気溢れる人生

 ダイの大冒険中、魔王軍六大軍団長の中では最初に仲間になった漢・百獣魔団の軍団長、獣王クロコダイン。
 少年漫画の鉄則「仲間になったら弱体化」を地で行くかの如きその戦歴に、ファンの間でも「噛ませ」の代名詞となりつつあるおっさんですが、今改めて読み返してみると、決してそんな事は無い!!! と言いたい味のある良キャラだ…と改めて思います。
 今回は、ダイ達の良き仲間であり理解者であり、皆に慕われる先代獣王(Byチウ)の漢らしい生き様を綴ってみたいと思います。
まずはここに、獣王クロコダインの軌跡をリスト・アップ。

・百獣魔団の軍団長として、ロモスの「魔の森」でダイ達と交戦。片目を失う。
・ザボエラに唆され、ダイの育ての親・ブラスさんを人質にしてダイを討とうとするも、ポップが見せた勇気とダイの「竜の紋章」の力の前に敗北。最後は男らしい武人としての姿を見せて散る。
・蘇生液に漬かって復活するも、傷の癒えぬ身体でヒュンケルと対峙。ダイを庇って再び瀕死の状態に。
・ヒュンケルの部下の手当て&ガルーダにより九死に一生を得る。その後マグマの中からヒュンケルを救出し、説得してフレイザードとの戦いに共に加勢に行く。
・ミストバーンがフレイザードに与えた鎧の前にパワー負けし、倒される。
・パプニカの老剣士・バダックと友情を構築。
・竜の騎士であるバランの前にはほぼ手も足も出ず、残った片目を潰されかけた上片腕を折られる。
・世界会議編では、鬼岩城からの雑魚兵を蹴散らす。
・氷山に落ちたダイを救う為、ザボエラの妖魔師団と対決。雑魚を蹴散らす。
・バランを説得しようとして却って逆鱗に触れ、身体を貫かれる。
・ハドラーの親衛騎団、城兵(ルック)・ブロックにはパワー負け。(但しヒュンケルが加勢に来た時には逆襲、借りを返している)
・老バーンのカラミティウォールからダイ達を守る盾になろうとしてヒュンケルと共に一瞬で吹っ飛ぶ。
・ヒュンケルと一緒にとっ捕まり、処刑寸前の所を救出される。大破邪呪文(ミナカトール)完成まで雑魚を足止め。
・大破邪呪文(ミナカトール)後も地上でモンスター達の軍団相手に奮闘するが、ザボエラの超魔ゾンビの前には手も足も出ず…。
・切り札の超魔ゾンビをも倒され、逃げたザボエラを待ち伏せ、討ち取る。
・バーンパレスへ乗り込むも、これと言った活躍も無いまま、真バーンの前には「レベル外」(Byポップ)扱いされ、一瞬で「瞳」に封印される。
・やがて、ダイと一対一の戦いとなった真・バーンの余裕がなくなった事で「瞳」から解放されたものの、闘気でなら破れるバーンパレスの檻の強度の前に歯が立たず、ヒムにいいトコをかっさらわれる。
・最後は、恐らくデルムリン島へ。ヒムやチウ達、獣王遊撃隊の先代獣王として、のんびり余生を過ごす。


………。
………。
………。

うん、全然噛ませなんかじゃないよね。・゚・(ノД`)・゚・
ちょっと、終盤はあの…色々大変な状況だったし、活躍の機会が無かったってだけで……。

獣王のおっさんは大物だった。これだけは言える!!!
いや、ホントにクロコダインのおっさんは大好きです。以下に、おっさんの器の大きさ&その強さを証明すべく珠玉のエピソードを集めてみました。

1)元・魔王軍軍団長の二人の証言
「くわせ者の多い六団長の中でもおまえとバランだけは尊敬に値する男だと思っていた」(Byヒュンケル)
「私は六団長の中では最もおまえを買っていたのに…」(Byバラン)

 ヒュンケル&バランは、軍団長の中でも頭一つか二つは抜きんでた存在でした。(特にバランは別格)
 その二人が一目置いていたのが、このクロコダインです。単純な実力だけでは測れない器の大きさのようなもの、それがこの二人を惹きつけていたのだと思います。
 特に仲間になってから思いましたが、この人は本当に気持ちの良い漢です。ヒュンケルにしろバランにしろ、元は色々あって殺伐とした心の持ち主でしたが、そんな二人でも一緒にいて気持ちの良い存在、それがクロコダインだったのではないかと。
 ザボエラやフレイザードのようなタイプとは明らかに合わないとは言え、その堂々たる「武人」と呼ぶにふさわしい姿は、人間・モンスター関わらず尊敬に値するものだったと思います。それはお次に人間の親友代表・バダックさんから検証してみます。

2)バダックとの友情
 フレイザードとの戦いで加勢して以来、知り合ったバダックさんとはずーっと深い友情を構築していました。
 バダックさん自身が、元々人とかモンスターとかあまり気にしない性格だった、というのもあるかも知れませんが、なんやかんやで実力の方はともかく(苦笑)、気持ちの良い「武人」のバダックさんとクロコダインは気が合ったのでしょう。
 特に好きなのが、「獣王痛恨撃」を物騒だからと「獣王会心撃」に改名させる所。あそこで一気に二人の心の距離が縮まった感じがします。(クロコダインも気に入ったみたいですね。それ以降、ずっと「獣王会心撃」と改称したままでした)
 また、フレイザードに勝利した後、「怪物が人間と酒を飲む訳にはいくまい」と、一人ひっそり乾杯していたクロコダインを見付け、「そんなの関係無い」と共に一杯やりに来るバダックの姿にはじわっと来るものがありました。
 その後も二人の交流は続きます。バダックさんは戦闘でこそちょっと頼りないものの、手先の器用さはちょっとした名工レベルだと思います。バラン戦で壊れた真空の斧を修復してあげたり、最終決戦ではロン・ベルクが作った「グレイト・アックス」を届けたり。最後まで、二人の絆は途切れる事なく続きました。
 最後の最後、ザボエラを倒したクロコダインの元へ来た時。
 嘗てはその絶大な魔力で皆に一目置かれる存在だったのに、出世欲に目がくらみ、他人を利用することばかり考える内に「こんなダニのような奴になり果ててしまった」とザボエラを哀れに思うクロコダインに、本当にグッとくる一言を言ってくれました。
「ワシの誇るべき友人、獣王クロコダインは たとえ敵のままであったとしても己を高める事に 生命を賭ける 尊敬すべき敵であったろうと…ワシは思うよ…!
 クロコダインの人徳故に、言える台詞だと思います。
 最終決戦後はクロコダインはデルムリン島へ行ってしまうっぽいですが、それでも時折バダックさんと交流を続けて欲しい…そんな風に思います。

3)ポップとの心の交流
 ロモスでは、一度はダイ達を見捨てて逃げようとしたポップ。魔法使いとしてもまだまだ未熟だったポップが、心の奥底に残るたった一つの「勇気のかけら」を胸に立ち向かった姿は、ザボエラの姦計を受け入れてしまったクロコダインの心を大きく揺らしました。
 ダイ達の仲間となった後も、「クロコダインのおっさん」とポップからは特に慕われていたと思いますし、自分が目を覚ますきっかけとなってくれたポップに対して、クロコダインも一人の武人として一目置いていたと思います。
 それだけに、バラン戦で逃げた振りをしたポップの姿には「お前の勇気はどこへいってしまったんだ…!?」と動揺してみたり、その後バランの口から真相を知った時は文字通り自らの身体を盾としてバランを消耗させるべく戦ったり、この二人の間にもまた、バダックとは違う形の確かな熱い友情がありました。
 特に好きなシーンは、ポップを助けようと「死の大地」に乗り込んだダイが、超魔生物としてパワーアップしたハドラーによって氷山へ落とされてしまった時。
 ダイの事を仲間達に知らせる為、逃げたくなかったけれど「逃げ」を選択したポップ。キルバーンに追い詰められたポップを救ったクロコダインも又、躊躇い無くその姿に「逃げ」を選びました。
「ダイを見捨てて逃げたくなかった」
 でもそうするしかなかった…と涙するポップに、
「よほどの事がない限り、今のおまえは一人で逃げたりはせん。そう思ったからこそオレもためらいなく逃げを選んだのだ! …そろそろつきあいも長いからな」
 そう言って、後は黙ってポップを泣かせてやるシーンには、武骨な中に暖かい優しさも感じられて、痺れました。
 ああ、私もあの胸に飛び込みてぇ……!!

 ――真・バーンと対峙した時、そんなおっさんをチウと共に「レベル外」とまで言い切ったポップは、本当にクールだった…! マトリフ師匠の教えをホントに守ってるよこいつ…! と、心から思いました。
 ぶっちゃけ、アバン先生を敢えて見捨てる策を取った時より、クールに見えました(笑)

4)ヒュンケルとの信頼関係
 フレイザードとの戦いに颯爽と加勢し、例によっておいしいとこ取りをするヒュンケル。
 しかしそんな彼があれほどかっこ良く登場出来た裏には、クロコダインの説得がありました。
「…ヒュンケルよ…オレは男の価値というのは どれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている。たとえ 生き恥をさらし 万人にさげすまれようとも、己の信ずる道を歩めるならそれでいいじゃないか…」
 マァムと並び、ヒュンケルの為に涙を流してくれた漢の心からの言葉は、死を選ぼうとしたヒュンケルの心をも揺さぶりました。あの台詞は「ダイの大冒険」の中でも屈指の名台詞です…!
 アバンの使徒の長兄としてヒュンケルが生きる、大元のきっかけになってくれた人物だと思います。(その次がレオナ姫の厳しくも寛大な裁きだと思います)
 ラーハルトの鎧の魔槍を受け継いだ後、ヒュンケルが自分の修業に没頭出来たのも、パプニカにクロコダインが残っているという信頼感があればこそ。お互いに武人として仲間として尊敬し合い、信頼し合っている絆は正に「男と男の絆」と呼べる気持ちの良いものでした。
 終盤、ミストバーンに「暗黒闘気を受け入れろ」と言われ、断るかと思いきやヒュンケルが「考えさせて欲しい」と答えた時、クロコダインは激怒しますが…それも友として信じていればこそ。
 …ポップが竜騎衆達を一人で相手にしようとした時と言い、信じてやれよという突っ込みもありますが(苦笑)、相手を深く信じていればこそ、それを裏切るような発言は許せなくなるというのは、普通によくある話かなあ…と思うのです。その後、ヒュンケルに「何があっても俺を信じてくれ」と言われた時は、彼は「信じる」事を選びました。
「オレはおまえを信じているッ!!! たとえこの身を裂かれ最後の一片になろうともおまえを信じぬくぞ!!! だから戦え!!! 悪い心と戦うのだっ!!!」
 変貌し、正に悪の心に囚われる寸前のヒュンケルを目の前にしてもこう言い切れる男気。
 これぞ、獣王クロコダインだ!!!

5)レオナ姫への礼儀も忘れない紳士っぷり
 マァムに対しては「鬼に金棒」などと無遠慮な発言をかまし(笑)「やぁね!」とマァムに笑ってたしなめられるクロコダインですが、一国の王女を相手にはなかなかしっかりした紳士っぷりを発揮。
 バラン戦ではレオナ姫とタッグでバランに立ち向かいますが、あのシーンはもう滅茶苦茶好きなのです。
 テランの城の牢では、一緒に守りにつくというレオナ姫に反対するも、「回復呪文の使い手がいるでしょう?」と言われて「言われて考えを曲げる方ではないし…」と渋々同行に同意するシーンとか、もう大好きです。
 この、敬意溢れる態度がたまりません!!! 単にレオナ姫が一国の姫だから、というだけではなく本当にその人柄や指導者としての器に敬意を表してるんだろうなぁ…というのが良く分かります。
 バランと対峙してポップの真意を知った後、覚悟を決めての 
「姫…策がある、ご助力をお願いしたい」
 とか、最 高 で す!!(笑)
 正直、大破邪呪文(ミナカトール)会得前のレオナ姫と言えば、「ベホマの人」という位それ以外はこれと言って…な感じでした。しかしその彼女最大にしてほぼ唯一の特技と、自らの鋼鉄の身体という強みを最大限に活かす「策」を考え付く事で、ぶっちゃけ戦闘力は殆どアレなレオナ姫をバッチリ「戦力」として見せるその男気、惚れます。
 自分はメッチャ痛い目に遭う訳ですが、それをものともしないとか、流石クロコダインのおっさんだぜ…!!!
 その「策」とは、バランの最強技「ギガブレイク」を喰らう→レオナ姫が回復→また喰らう→これを繰り返してバランを消耗させる、という、もはや策とも思えぬ無茶な行いだったりする訳ですが……。
「こんな戦い方ではどこまで持ちこたえられるかわからない!」
 と、流石に無茶だと返すレオナ姫に、
「ポップの心に殉じようではありませんか」
 と返しつつさり気にバランの竜闘気で姫が吹っ飛ばないようにガードしてるシーンがツボでした。
 クロコダインさん、マジ紳士……!!

6)そんなこんなで、実は結構知略の方もバッチリ…!?
 ザボエラやフレイザード辺りには、やたらと頭の悪い脳筋扱いされているクロコダイン。
 しかし、実際彼は言う程頭が悪いか? と言うと、決してそんな事は無いと思っています。
 魔王軍の動向をヒュンケルと共に探ってみたり、バランがダイの記憶を消した時、「すりこみ」についてメルルに教えてみたり。チェスの知識だってバッチリある事が、ポップとの「ポーン」に関する会話でも立証済み。(まあ、単純に「ポーン」を一番弱い駒としてしか認識していない辺り、そんなにやり込んではいなさそうですが…^^;)
 レオナ姫への態度から、きっちり最低限の礼儀作法の心得もあるっぽいですし。
 何より、人間がモンスターを怖がるものだという事をよく分かっていて、だからこそフレイザードに勝利した後もひっそり一人でお酒を飲むという謙虚さと、気遣いの心も併せ持つ。
 ………これだけ繊細な事の出来る者が、只の脳筋とは思えません。
 最後の最後、ザボエラを待ち伏せて「万策尽きた」事を理論だてて説明して見せた所からも、彼は別段知略の面で弱い訳ではなく、武人としての性格上、そういうやり方を好まないだけ(&元々力押しでもそれなりに戦える人だから策に走る必要も無し)なのだろうな…と思います。
 ザボエラに騙された振りをして言った一言は、深いと思いました。
「頭の悪いオレだが、だまされ続けたおかげで 一つ物を知った…それは……!
 この世には 本当に煮ても焼いても喰えぬヤツがいる! …という事だ!!」

 何故か、それこそ何百年も生きて、あれこれ策を弄し続けて来て、正に「知略」の面で自信満々であったザボエラより、この人の方がよっぽど深く物を考えて生きてるような気がした一瞬でした。
 本来なら、命乞いをする無抵抗の敵にトドメを刺すというのは、一番性に合わない役目だったでしょう。
 それに、クロコダイン以外の誰がザボエラを見つけていた所で結果は同じだったと思います。しかし、敢えてやりたくない役目を、嘗ては魔王軍の軍団長として共に戦っていた自分の役目と心得てあの場に待っていたのだろうな…と思うと、バダックさんが「ワシの誇るべき友人」と躊躇い無く呼んだ理由が分かる気がします。
 クロコダインのおっさん…! あんたは私にとっても誇るべき友になれる人だ…!!
 アンタみたいな人と、美味い酒を飲みたいもんだぜ!!
 ――以上、クロコダインのおっさんの魅力について語ってみました。
 なんか最初のタイトルから趣旨がズレてる気がしないではありませんが、まあ、そこはクロコダインのおっさんの如く豪放磊落に、細かい事は気にすんな! の姿勢でご笑覧下さい。 
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非公開コメント

拍手コメントありがとうございました! >satoshi さま

 こんばんは、拍手コメントありがとうございました。 
 クロコダインのおっさんはホントに「漢」ですよね。文庫版で読み返していて、改めて好きになりました!

No title

こんばんは。スネークです。
ダイの大冒険ではクロコダインはバランにボコボコにされてましたが、
星屑十字軍の奇妙な冒険で逆にバランがクロコダインにコインとグラスの勝負で魂を奪われましたね。そう、銀河万丈さんvs石塚運昇さんです!!

コメントありがとうございました! >スネークさま

 こちらの記事にもコメントありがとうございました♪
 …ええっ、クロコダインの声は知っていましたが、バランの声、運昇さんだったのですか!?
 思わぬところで中の人繋がりがあったのですね。
 ふと、バランとクロコダインがコイン勝負をしている図が一瞬脳裏に浮かんでしまいました(^^;)凄い絵面ですね…。
プロフィール

星野 海紀

Author:星野 海紀
徒然なるままに様々な事を書き綴っています。現在は「キングダム」&「ゴールデンカムイ」、「テラフォーマーズ」に熱いです。他に聖闘士星矢や遊戯王、旅行記等、話題の範囲は広いです(笑)

連絡先:natch.2002ina★gmail.com (★をアットマークに変えて頂ければと思います)

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