テラフォーマーズ―アドルフ特集― イザベラさんをムキムキゴキに向かわせた判断について

 ドイツ・南米第5班の闘いの中で、もしかしたら一番、色々と突っ込まれた部分では、と思います。
 トドのつまり「アドルフさんがムキムキの方を相手にする→イザベラさんに他のノーマルゴキを相手にさせていれば良かったのでは?」と。
 班長を除いて一人しかいなかった戦闘員がやられた時点で、ほぼ勝率0%になってしまった第5班。
 ですが、単行本5巻で色々判明した件、及びあの状況から考えて、個人的にはこの判断は間違っていなかった…というより、これしか取れる選択肢はなかった、と思っています。
 以下、色々と考えてみた事を書いてみました。
 賛否両論色々あり、どの考えが正しいとか言う気は全くありませんので、あくまで個人的な意見ということで。。
 幾つか理由を考えてみました。

1)元々のプランは…?
 元々、くぼ地に追い込まれ、多数のゴキ達の群れに囲まれた時点で、彼がイザベラさんに出した指示は「第4班の脱出機を奪え」でした。
 つまり、逃げる気満々だったという事です。最初っからあの大軍を相手に普通に全滅させて切り抜ける気だったなら、その指示は出さないでしょう。そしてその判断自体は、
 ・あれだけ不利な地形&多勢に無勢過ぎる状況
 ・イザベラを除いて皆が非戦闘員だった事
 を考えれば、全く間違っていなかったと思います。

2)崖を駆け昇って第4班の脱出機を持って来るのに、イザベラさんが一番適任だった
 いざ逃げるとなった場合、一刻も早く第4班の脱出機を奪って来なきゃいけない訳ですが、あの時点でそれが出来る人材は、イザベラさん只一人だったと思います。
 目的が、単に「ムキムキゴキを倒す」だけなら別にアドルフさんがやっても良かったと思うんですが、最終目的は「第4班の脱出機を奪ってトンズラする」事。であれば、

 1.ムキムキゴキをブッ倒す
 2.あの急峻な崖を駆け登り、第4班の脱出機を持って来る
 3.班員を皆そっちに移動させる
 4.逃げる

 という、かなりめんどくさい工程が必要になります。
 この内、2.の部分が、アドルフさんには難しかったのではないでしょうか。
 彼のベースは「電気鰻」のみ。元々、電気鰻の特性自体では筋力や脚力のアップは望めない上、ツノゼミによる身体強化すら無い状況で、あの崖をよじ登る事は難しいでしょう。それが出来るのは、飛蝗系の脚力を持つイザベラさんだけだったんじゃないでしょうか。

3)一体多数の闘いに秀でた人でないと、とてもあの大軍は足止め出来ない
 2.~4.までの行程を成功させる上で、あの大軍を相手にして足止めする係がどうしても必要になります。何せ、このゴキ達は「待って」はくれないので……。
 それが出来るのは、多数を相手に出来る&手裏剣を併用した中距離戦闘が得意なアドルフさんだけ。
 イザベラさんでは正直キツいでしょう。ムキムキゴキだけ倒す→その後交代する、では時間的なロスが大きすぎる上、その間にイザベラさんを無視して脱出機を狙うゴキがわんさか来てしまったら、とてもイザベラさん一人で対応するのは難しいと思います。
 そして多分ですが、この人、4班の脱出機を奪うのに成功したら自分は残って皆が逃げるまでゴキ達を足止めするつもりだったんじゃないかな…と思いました。
 4班の脱出機を首尾よく奪えても、少なくともある程度安全な距離になるまでは足止めしないと、あの大軍に追いかけられたら逃げられないと思います。
 …くぼ地に追い込まれた時点で、あの場を死地に決めてたんじゃないかなぁと…。

4)イザベラさんは、果たしてあのムキムキゴキに適任だったのか?
 上記の通り、他に選択肢が無かった、というのもありますが、少なくともイザベラさんのマーズ・ランキングを考えれば、例え相手が明らかに他とは違いそうなムキムキゴキでも「やれる」と判断したのはミスではないと思います。
 …それを言ったら、ムキムキにクロカタの装甲までプラスされてる奴に21位の人を向かわせてしまった某班はどうなるの? …って感じですし。(まあ、あっちの方はやめろと言ったのに先走って行っちゃった→やられた、という可能性もありますが…^^;)
 マルコスが慶次を信じてクロカタゴキを任せたように、彼もまた、イザベラさんを信じてムキムキを任せた。…それだけだと思います。(イザベラさんの特性自体は、どちらかと言えば格闘主体でタイマン向きだったと思いますし)

 以上、色々考えてみました。
 贔屓目抜きにしても、あの判断はあれより他に仕方なかったんじゃないかな…と思う私です。どんなに無いものねだりをしても、第5班には慶次もマルコスもいなかったんですから(涙)
 勿論、あの状況でエヴァや班長だけでも必死に逃がそうと頑張った第5班のみんなが悪いとは思いません。…上層部の連中が、もうちょいやる気出してくれれば…!!
 イザベラさんがやられてしまった時点で、もう「周りのゴキ達を何とかする」以外に切り抜ける選択肢がなくなってしまった第5班。…詰んだ状況だったんですよね…。本当に…。
 SOSくらい、出しても良かったんじゃ…と思わずにはいられません(何処に出せるのか? という疑問はありますが)
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ジャンル : アニメ・コミック

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No title

 なるほど、とても納得のいく考察です! そしてこれによって「初手ドロップキックってどうなんだイザベラ、もっと慎重に戦えば……」という私の疑念も溶けました。
 アドルフが己を犠牲として自分たちを逃がそうとしていると理解した時、イザベラはきっとその声なき命令を拒否したでしょう。
 よって、あの時点でイザベラのプランは「アドルフvs300体の戦いが(アドルフの回収が不可能になるくらい)本格化する前に脱出機を奪い、アドルフ含めた皆を回収して生きのびる」だった。
 そのためイザベラは、分が悪い賭けだとわかっていても無灯火デブを瞬殺しにかかるしかなく、そのための行動と結果があれだったのかなーと思います。
 「生き延びる」「戦力を残す」という意味で言えば、5班にはもっといい手があったかもしれない。 でも、アドルフもイザベラも、その他多くの非戦闘員も、皆がお互いを想いあった結果であるあの展開は、決して間違いなどと呼ばれるものではなかった、そんな感じのお話ですね……

コメントありがとうございました>人見知りさま

 こんばんは、こちらの記事にもありがとうございました。

>  アドルフが己を犠牲として自分たちを逃がそうとしていると理解した時、イザベラはきっとその声なき命令を拒否したでしょう。

 イザベラのあの「…ウス」の返事の中にも、きっと「必ず(班長含め))皆助ける」という気持ちが込められていたんだろうなぁ…と思うと、やっぱりどうにもやりきれない切ない気持になりますね。

>  「生き延びる」「戦力を残す」という意味で言えば、5班にはもっといい手があったかもしれない。 でも、アドルフもイザベラも、その他多くの非戦闘員も、皆がお互いを想いあった結果であるあの展開は、決して間違いなどと呼ばれるものではなかった、そんな感じのお話ですね……

 そうなんですよね。…多分「一人でも多く生き延びる」「任務を継続する」という視点で考えれば、他に打てる手はあったでしょう。正しい選択ではなかったかもしれないけれど、間違っていたとも呼べない、私もそう思います。機械ではないので、常に「一番ベスト」な選択ばかり取れないのが人と言う生き物だと思いますし…。
 そしてだからこそ、未だに諦め切れなかったりもするのですが…(^^;)
プロフィール

星野 海紀

Author:星野 海紀
徒然なるままに様々な事を書き綴っています。現在は「キングダム」&「ゴールデンカムイ」、「テラフォーマーズ」に熱いです。他に聖闘士星矢や遊戯王、旅行記等、話題の範囲は広いです(笑)

連絡先:natch.2002ina★gmail.com (★をアットマークに変えて頂ければと思います)

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