聖闘士星矢 冥王神話 THE LOST CANVAS 全巻読破記念 黄金のお兄さんの生き様(獅子座~蠍座編)

 矢張り記事が長くなった…(苦笑)最初は一人につき2~3行で語ろうかなとか思っていたのですが、そんなコンパクトに纏められる訳が無かった!!!
 …という訳で、もう開き直って記事を分ける事に。
 今回は、獅子座~蠍座まで語ろうと思います。
5)獅子宮/レグルス
「この船 お前が壊していい代物じゃない」
「ほらな。超えた!!!」
「ごめん、テンマ。もっと遊びたかったんだけど…」

→LCの黄金は、原作星矢よりもちょっと年上に設定されている事が多い(童虎やシオンは18ですが、他は大体22~28位)のですが、このレグルスはその中でも最年少。テンマ達と同世代の15歳になります。
 耶人達と同期でありながらその天才的なセンスであっという間に黄金聖闘士にまで上り詰めたレグルスは、父が獅子座の黄金聖闘士であり、その兄弟にあたる射手座の黄金聖闘士・シジフォスが師という正にサラブレッド。
 しかし、自ら「自分はまだ子供で聖闘士として未熟」と語るように、その心はまだまだ年相応の少年のもの。
 バイオレートとのパワー勝負では、女と思えぬ凄まじい怪力&影ぬいで苦戦しつつも短時間で「超えて」みせる程の戦闘能力を持ちながら、「どんなに目を凝らしても、人の心まで見える訳じゃない」と呟く姿はまだあどけなさを残していました。
 ただ、彼は決して人の心が「見えない」人じゃないと思います。…それを自覚しているからこそ、自分なりのやり方で精いっぱい相手を「見よう」としていてたのではないでしょうか。だからこそ、実は人一倍人の気持ちには敏感だったのでは、と思います。父を殺された後、たった一人、荒んだ瞳で獅子座の黄金聖衣を守っていた幼い日に、シジフォスという素晴らしい師と出会えた事もその一因かも知れませんが…。
 しかし、そんな彼も……ッ!!!(涙)
 カルディアとの戦いで深手を負いつつも生き延びていたラダマンティスは、レグルスの父を殺した男でもありました。その時の光景を忘れず、空のロストキャンバスからハーデスへと続く「星の魔宮」の一つでラダマンティスと戦うレグルス。
 自らの身体に注がれた神の血をも制し、人を超えた力を振るうラダマンティスを超える為、「アテナ・エクスクラメーション」を一人で撃ったり、黄金聖闘士達全員の力を結集した「ゾディアック・クラメーション」を撃ったり、乙女座とは違う意味でチートな子でしたが…。
 その力に、身体の方は耐えきれませんでした。
 力と力の衝突。その後、ラダマンティスの前には、獅子座の黄金聖衣だけが残っていました……。

 ――レグルスの父は大地や風や、そうした自然と「語らう」事の出来る不思議な人でした。

 そんな父と幼い日を過ごし、沢山の先輩黄金聖闘士達の技や力を間近で見、その戦闘センスで父と同じ聖衣を受け継ぐに至った彼ですが、技や想いを引き継ぐという事がどういう事か。超えていくという事がどういう事か。それを、とうとう生きている内に完全に理解する事は出来なかったのかも知れません。
 理解したのは、自らの身体が、文字通り大地と、大気と一体になった後。
 聖衣だけ残して消えたか、と背を向けようとするラダマンティス。……しかし。
 まるで一陣の風の如く振るわれたライトニングボルトはラダマンティスの心臓を撃ち抜き、致命傷を与えます。ラダマンティスへの憎しみも復讐心も消え、ただ周囲の大気と一つになったレグルスの魂も、また父のように大地へ、風の中へと還って行きました。
「ゴメン、テンマ。もう少し遊びたかったんだけど」
 …この台詞が泣けます。
 その後、レグルスの死を知ったシオンが「お前は我らの中で一番年若いではないか…!!」と涙するシーンが印象的でした。…やめろよ…こっちまで泣けて来るじゃんか…。
 しかし、年相応のあどけなさを残しつつも、一流の「戦士」だった彼らしい生き様だったかもしれない…と思います。出来れば、もっと耶人やテンマと仲良くしている微笑ましいシーンが欲しかったです(涙)

6)処女宮/アスミタ
「私は乙女座(バルゴ)のアスミタ。それ以上でも以下でもない。聖闘士が向かう場所は、常に死地に決まっているであろう」
「ああ、良い風だ。良い日だ」
「ああ、君 想像より幼い顔をしているな」

→そして安定の乙女座のチートっぷり(笑)
 まずは冥界でテンマに説法&乙女座の必殺技のフルコース。…天舞宝輪までまさかかますとは思いませんでした(苦笑)生来目が見えず、故に人より多く様々な世の中の苦しみや悲しみを見続けて来た彼の心には、アテナの聖闘士として戦う事への迷いが常にありました。しかしこちらの乙女座は、多少は話が通じそう…な気はします(^^;)
 テンマとの対峙でその迷いが晴れたアスミタ。彼はハーデスの力で何度でも蘇る冥王軍の魂を封じ、その復活を阻止する数珠を作るべく全小宇宙を燃やします。
 数珠を作る前にハクレイと交わしていた会話が印象的でした。
「こんな老いぼれが課す役回りではないな…」
「はて。あなたらしくもない。私は実に爽快な気分だというのに」

 とても二十代前半の若者の台詞じゃねェェェ!!! ・゚・(ノД`)・゚・

 小宇宙を高める中、脳裏をよぎるのは幼いアテナとの対話。
 神として超越した存在でいられるのに、わざわざ人として生を受け、苦しみに満ちた道を選ぶなど理解に苦しむ…最初はそう思っていたアスミタ。しかし、ある日処女宮を訪れた幼いアテナとの会話には、その心を動かすものがあったようです。
「あなたは、だからそんなに苦しそうなの?」
 アスミタの目が見えない事を知り、思わず尋ねて来るアテナ。その真意を測りかねる彼に、サーシャは言います。
「私の胸が痛いのは、いいの。これは私が約束を忘れていないってことだから、これでいいの。私はずっと、胸が痛いままでもいいの………」
 目が見えない彼にも、その無垢なる優しい笑顔は「見えた」のか。
 この世が苦しみや迷いに満ちたものであるという考えそのものを覆す気はなくても。
 ――彼は最後まで、アテナの聖闘士として己の小宇宙を使い切る事を選択しました。

 数珠を完成させた後、塔の上に来たテンマとのやり取りは、LCでも屈指の泣けるシーンです。
「世界は美しいな。見たまえ、あそこに光が見える…集落があるのだろうな。人々が暮らしているのだ。悩み苦しみながらも、時には笑って……。
 ああ。君 想像より幼い顔をしているな。
 冥界で会った時も今も、君は幼い日のアテナと重なる」

 その瞳は開かれ、口元には悟りきった笑み。
 やがてその場には乙女座の聖衣と数珠だけが残されていました。
 馬鹿野郎オォ―――!!! ・゚・(ノД`)・゚・
 
 まさかこんな序盤で逝くとは思わなかった……(泣)
 しかし相変わらずのチートっぷり。流石乙女座、格が違います…!!

7)天秤宮/童虎
「お前はこのまま友を思いまっすぐ進め」
「もともとおぬしにはこれ一本で十分だったのじゃよ」
「わしらは散っていった同胞らの思いをつなぐため生きる。離れていても我らの心は一つだ、シオン。この先の長い年月、二度と会うことがなくともな…」


→シオンと共に243年の時を生き、先代と次代を繋ぐ鎹となった童虎。
 テンマの良き兄貴分であり、シオン共々この物語のもう一つの主役だったと思います。
 そして、弟子にも引き継がれた見事な脱ぎっぷり(笑)も素敵でした。
 あんたそこまで脱ぐ必要があったんですか!? というシーンでも惜しげなく背中の虎を魅せてくれる脱ぎっぷり。…一体何のサービスぞ(笑)これぞ、スーパー脱衣タイムだ!!
 18歳の時から妙にジジイ臭い喋り方がまた素敵です。…そして、師匠がなんか凄いんですが(^^;)
 デジェルも五百数十年生きているとかいう水瓶座の人が師匠でしたし、童虎に至っては龍!! …星矢達世代の黄金のお兄さん達も、やっぱり先生はこういうとんでもない方々だったのかなぁ、と気になります(^^;)
 さっぱりした良い兄貴分な性格、そして豪快なのは脱ぎっぷりだけではなく戦闘スタイルも同様でした。シオン共々、年相応の青臭い所が好ましいなぁと思います。
 アテナの聖衣の所は、「あれ…?」と思ったのですが、その後デフテロスが記憶をいじっていた事になっていて、こういう細かい所でもちゃんと原作に繋げてるなぁ…と思ったものです。
 輝火との戦いは矢張り強く印象に残っています。
 ハスガード、そして童虎と熱き漢達と戦った事で、輝火は彷徨う己の心に決着を付けられたのでしょうか……。最後、童虎を助ける為に突き落とし、フェニックスとなって天へ昇ったその姿は、まるで某兄さんを想わせるのですが、彼はもしや、某兄さんの前世的なものなのかも…? と思いました。
 いずれにせよ、あれだけ頑ななその心をも揺り動かした熱き魂。老師と呼ばれるようになった243年後はその年に相応しく、色々と悟りきった感じになっていますが、この時はまだまだ熱い青年だったんだな…と改めて思います。多くの時を経て、その熱い心は失わぬままに歳を重ねた結果が、あの老師の姿なのでしょう。
 25巻のラストで、ムウと会話するシーンは感慨深いです。
 しかし、そのアテナが聖域に戻り、再びハーデスとの戦いが始まった時。…無二の親友だったシオンと、あんな形での哀しい再会が待っているのが切ないです……。
 でもきっと、お互い後悔していないのでしょうね。OVAの「ハーデス12宮編」では、シオンと童虎が束の間語らうシーンがありましたが、LCを見た後だと一層感慨深いです。「243年も待ったのだ」というシオンの台詞。…お互い、自分の役目を全うした243年だったのだろうな…と改めて思いました。今は穏やかに、酒でも酌み交わしてゆっくり語らっていてくれればと思います。

8)天蠍宮/カルディア
「針穴の恐怖、気付いた時には手遅れさ!」
「命にはリミットがあるんだ! だったら俺はこの命 自分の選んだ場所で使い切る!!」
「お前は夢のために生きて進めよ。あとは頼んだぞ…」

 彼に関しては、こちらの記事でも散々語り倒しましたので(苦笑)、簡潔に。
 外伝2巻を読んだ後だと、サーシャの「聖域も寂しくなりましたね、シジフォス」の台詞が一層哀しく感じられます。何しろ黄金聖闘士でありながら、「サーシャ」と人の名前でフツーに接している貴重な人材。外伝2、3巻での、近所の気の良いあんちゃんみたいなサーシャへの接し方は、凄く微笑ましいものがありました。
 いかにも勉強とか本とかはキライな感じで、ブルーグラードの書庫を見て「げっ(汗)」ってなってた顔が可愛いかった…(笑)表情もくるくる変わり、感情表現が豊かで激情家。自分の命が短くても、それを悲観するのではなくとにかく「悔い無く生き切る」事に全力を傾けた、そんな所がタマラン魅力でした。あと、何か目力&漂う色気は黄金随一だと思います(笑)
 でも、只自分勝手に満足して逝ったかと言えば、そうではないのだなぁ…と。
 ラダマンティスとの戦いの後、彼は少しずつでもデジェルの後を追って歩いてるんですよね。…これを見ると、後を託しつつも最後の最後まで任務を遂行しようとしてたんだな…と。
 結局この後、ラダマンティスはまだ生きていた訳ですが、正直無駄死にだったかといえばそんな事は無いと思います。デジェルの任務は、あくまでも「ポセイドンの遺産であるオリハルコンを聖域のアテナへ届けること」。これを果たす為に最後まで命の残り火を燃やし切ったその姿は、紛れも無く「アテナの聖闘士」でした。
 ユニティに蠍の爪を与え、残りの熱を全て与えて地上へ逃した後、彼はそのまま立ち往生だったのでしょうか…。思えば、デジェルの師が禁術を使って永らえたその命。弟子のデジェルがその命を繋ぎ、最高の「生き場所」へと導き、最後は死地まで同じ。悔い無く生き切った人生の終わり間際、氷漬けになったデジェルの側まで辿りつけたのかどうか。
 治療の必要がある関係上、恐らく他の黄金聖闘士よりは割と一緒にいる時間も多く、仲も良かったのだろうなぁ…と思います。最後の地までほぼ同じとなったその縁の深さが、印象に残りました。


 ……もっと簡潔にしようと思ったのですが、やっぱり長くなりました。
 次回で黄金聖闘士の皆さんの特集もいよいよラスト。射手座シジフォス~魚座アルバフィカまで、一気に十二宮を突破しようと思います。
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テーマ : 聖闘士星矢
ジャンル : アニメ・コミック

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お疲れ様です

言いたいことがあり過ぎて書いてたらご迷惑をおかけしてしまうと思うので2つだけ。

獅子座の最後だけは、読んでて泣きそうになりました(TT) シオンの言葉がすべてです。。。

他の聖闘士に関しても素晴らしいまとめです。感動しました!

では、to be continued to 射手座でw

Re: お疲れ様です

 ぎがほさま、こんばんは!
 シオンのあの言葉は、涙腺緩みますよね…。一番年若かっただけに、ほんとに哀しかったです。
 まとめ、お楽しみ頂けて嬉しいです。。かなり今更感はありますが、やっぱり全巻読んで良かった…! と思いました。。
プロフィール

星野 海紀

Author:星野 海紀
徒然なるままに様々な事を書き綴っています。現在は「キングダム」&「ゴールデンカムイ」、「テラフォーマーズ」に熱いです。他に聖闘士星矢や遊戯王、旅行記等、話題の範囲は広いです(笑)

連絡先:natch.2002ina★gmail.com (★をアットマークに変えて頂ければと思います)

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