キングダム第426話「人の本質」

 呂不韋が口にした「怨念」というキーワードに引き寄せられたかのように、わらわらと現れ、政を再び脅かす怨念達。
 しかし怨嗟の手から彼を守る、紫の光が……。

 瑠衣には見えているその光。
 それは、政にとって永遠の女性の魂とでもいうべきものでしょう。

 長い長いドローフェイズを経て…遂に、政のターンが!!
 ドローフェイズちょっと長いですよ大王様、と思ったのですが、流石…巻頭カラーに合わせて来ましたな!!(笑)

 今週は、木曜日は「キングダム」、金曜日はペットショップ戦と、楽しみが週末に続くのでハイな気分です!!
■感想御題:「人の本質は光だ」邯鄲で心を閉ざしていた少年が今、語る言葉とは……。
 急に黙ってしまった政を見て、「己の描く道が誤りであるとようやく気付かれましたかな?」と勝ち誇る呂不韋。
 しかし政には今、決して呂不韋には見えないものが見え、聞こえない声が聞こえていました。あの邯鄲での闇の時代を経て彼が志した「道」。それは果たしてどのようなものなのか。

 その前に、政はまず呂不韋の持論についてばっさりと。
「お前の口にした為政は、所詮"文官"の発想の域を出ないものだ、呂不韋」
 この言葉は、なんというかこう、目からうろこでした。。
 そう、それだ!! と。
 合従軍編の頃もちょいちょい感じていましたが、彼はあくまで「文官」としては傑物だと思いますが、矢張りそこが限界の人でもある気がします。秦が正にヤバいとなった時、真っ先に思いついたのが「王の首を差し出そう」だった辺りが正に。…確かにそれ以上戦争は長引かず、民の血も流れないかも知れません。ただそれが本当に保障されるかも定かでない&あの時の彼の意図はどちらかというとそういう事より、まずは「自身の保身」が第一でした。
 …あの時の所業を想うと、とても「王」の器とは…。

 というのはさておき。
 政は語ります。
 一時「富」でつながろうと、各国が力を付け切った所で再びより大きな戦いの時代に突入するだけのこと。
 それは問題の根本に蓋をしてことを先送りにしているだけ。…王ならば、人の世をより良い方向へ導くべきではないか? と。
 その「より良い方向」こそが、「戦国時代を終わらせる」事でした。
 呂不韋はそれを「妄想の道だ」と切り捨てます。戦争は紛れもない人の本質の現れであり営みの一部であると。…その戦争を否定することは、人を否定するようなもの。…そんな理想論を語るのではなく、「現実を受け入れて」為政に挑まねば前へ進まない。
 これはこれで確かに一つの選択肢ではあろうし、彼が何度も言うように「現実的な」道ではあるでしょう。
 しかし、政は力強く「違う」と返しました。
「お前達は、人の本質を大きく見誤っている」
 政は知っています。欲望に溺れ、欺き、憎悪し殺す。…その一面も確かに人間のものだと。
 しかしそれは決して「人の本質」ではない、と彼は語ります。
「その見誤りから争いはなくならぬものと思い込み、その中で最善を尽くそうとしているが、それは前進ではなく人へのあきらめだ!」
 …だからこそ、人の世は五百年も戦国時代を続けてしまっているのだと。
 この時の蔡沢じーちゃんのリアクションが印象的です。
「その発想はなかった…!」的なものなのか、それとも「人へのあきらめ」その言葉が何か余程ガーンと来たのかなと…。

 一方、呂不韋も勿論そんな言葉では動じません。
 そこまで言うなら、政の言う「人の本質」とは何か、それを語れと返しました。
「空虚な綺麗事ではなく、あの邯鄲で正に人の闇に当てられた悲惨な経験を踏まえた言葉でお聞かせ願おうか」
 …彼の言う「人の闇」ってのも一体なんなのだろう、とは若干思いました。
 呂不韋はあれだけの悲惨な目に本当に遭った事があるのだろうか? と…。この後哀しい過去が発覚したりとかするのですかね…もし、本当の人の醜さ恐ろしさというものを身を以て経験していない人が「人の闇がどうたらこうたら」言ってるんだとしたら、それはそれで十二分に空虚な絵空事に聞こえるのですが…。
 一方、政の眼には今も尚、あの怨念の手が見えてるのでしょう。それでも。
 彼もここからは「大王」としてだけでなく一人の「政」という人間として語ろうとしているのか、冠を脱ぎ捨てて「無論だ」と返します。…その目にはもう迷い怖れは無く!!
「俺の歩みはあそこから始まっている」
 その日食べるものすらままならず。
 盗みまでしてわずかな食べ物をちょろまかして生き抜いた日々。…外へ出れば情け容赦ない暴力の渦に、罵倒の嵐に苛まれ、家へ帰れば母親の憎しみを浴びて心が安らぐ場所など何処にもなく。
 いつしか光の無い昏い眼差しで世を見つめるようになった幼い頃。
 感覚すら心と共に失っていた少年の傍らに、そっと寄り添ってくれた女性がいました。

 彼女は皆が暴力を振るう中、凛として「あなた方のしている事は、秦人以下です」と制止してくれました。
 そして、煌々と輝く月を共に見上げ、「くじけぬよう励ましてくれている」…そう語ってくれました。
 何の関係もない赤の他人の、それも趙の人々から憎まれている秦の王族である少年を命を賭けて庇い、最後まで護ってくれたその腕は、政に初めて抱き締められる温もりを教えてくれました。
 元々成功報酬なんぞより、リスクの方が遥かに大きかったその案件。現に一度は彼女の仲間達は断る方向で話を持って行きましたし、実際関を潜り抜けたタイミングだって本当にギリギリで。
 損得勘定の世界に身を置いていた彼女です。まして、闇商稼業をして先代の倍以上の規模に紫商を大きくする程やり手の彼女は、単なるお人よしでは決してないでしょう。それでも彼女が政を助ける事を引き受けたのは。
 最後まで護ってくれたのは。
 あの夜共に月を見た時、その瞳に宿った澄んだ光を信じたから、ではないでしょうか。
 …彼女にとって、政は例え危険が大きくても救うべき人だった。幼い頃に養父から受けた恩を返すのに、正に相応しい子だった。――だからこそ。

「あなたは誰よりも偉大な王になれます」

 もうこの時の紫夏さんがほんとに美しい!!!
 今でもなんかこうじわっと来ます…。そしてこのシーン、ちゃんと描き下ろしで描いてくれたのが何か嬉しいです。コピー&切り貼りじゃあない…!!
 彼女があの闇の中で、政に見せてくれたもの。
 それこそが、政が戦国時代を終わらせると、それが出来ると信じる理由であり、彼が思う「人の本質」でした。

「人の持つ本質は―――光だ」

 誰よりも人の醜い部分も知っている政が出した結論。
 そんな彼は「中華統一」という己の道をどう語るのか。次号、巻頭カラーでいよいよ政の言葉ですね!!

 個人的には、人の闇の部分も光の部分も、紛れもなく人の持つ側面の一つであると同時に本質でもあるのかな…とも思います。ただ、そのどちらをより強く信じるか。受け入れるか。それによって、「より良い為政」と一口に言っても呂不韋のような方法になったり政のような方法になったり…と変わるものなのかも知れないと思います。
 ともあれ、次回まで、待機じゃあ…ッ!!
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テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

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違うと思うな~

さいたくじーちゃんのことだけど、感動したかじゃなくて心臓がいたかったんじゃないでしょうか?その後出てきてませんし、倒れたんじゃないでしょうか?(´・ω・`)僕は何となくそう直感しました。そろそろポックリ逝ったなと思ったんですが。

管理人さま、こんにちは!
どうやら決着が近いみたいですね。太后様にも紫の光は見えていないのでしょう。今でも闇の中の人だから…。政の人の本質は光だ、発言で太后様が噛みついてくるかも?今の所空気みたいになっているし…。紫夏さんは政にとってある意味、母みたいなものかな?と思いました。感陽も気になりますが次回見れるのでしょうか?
あと、ミッシェルさんは性格的にそんな事は言わないと思う。男前な性格だから…。

管理人さん、こんにちは

最近では漫画の主人公でさえ、悟ったようなシニカルな発言が多いなか、「人の本質は光」と断言してくれたのは理想に燃える若き王としてとてもかっこいいですね。

同時に晩年のことを思うと(キングダム世界でどうなるかまだわかりませんが)切なさもあってなんとも言えない気持ちになりました。

本質

お疲れ様ですー!
来ましたね名セリフ
「お前達は、人の本質を大きく見誤っている」
心鷲掴みされましたー!
星野さんの仰るとおり呂不韋は相国(文官)としては極みにいるけど王の器ではないというコトっすね。
「人を諦めた」からこそ自分の、他人の運命を支配してきた。自分の生きている時代だけの平和を願う者、呂不韋。
「人の可能性」を信じて自分の生きている国、時代だけでなく「中華」の未来の為に自らをその礎にしようとする者。

蔡沢じーちゃんも思わずタギッテしまいましたかね(笑)
次回がまた待ち遠しいー!

こんにちは。「人へのあきらめ」という言葉には感心しました。戦国時代を終わらせるということも最もです。
けれども、その終わらせる方法が問題なのです。
蕞で政が言っていたように国が滅ぶということは、それまでの国の歴史が終わるということであり、また滅ぼされた国々の人々は秦人から冷遇されかねず、奴隷のような扱いを受ける者も出てきかねません。それまでの国から秦の人間になる事に抵抗や屈辱を感じる人もいるでしょう。
それから、武力による統一というのも、国同士が互いに友好を結び、侵略し合う事を止める事が出来るという事を諦めている事でもないでしょうか?
さらに、中華を統一したとしても異民族とのいがみ合いが無くなる訳ではなく、戦争そのものはなくなりません。
人の本質がどうであれ政の手段には問題が多いという事にかわりがないように思います。

Re: 違うと思うな~

 こんばんは、コメントありがとうございます。。
 そっちですか……。お年を考えると確かにそれもちょっと心配になる反応ではありましたが、流石にそれはないかなと思っておりました。。
 結局どうなのかは不明ですが、結構良い味出してるキャラなので、今後もまだ頑張って活躍して欲しいものです。

Re: タイトルなし

 danさま、こなbんは!
 決着が近付いていますね。太后様には、私もあの紫の光は見えていないと思います…。彼女自身が、誰かに手を差し伸べられる事すら拒否してしまっているように見えますし…。ロウアイとあのまま上手くいっていれば、あるいは…だったかもですが…。
 咸陽も気になりますよね。田有さんの安否も…。

> あと、ミッシェルさんは性格的にそんな事は言わないと思う。男前な性格だから…。

 ミッシェルさんは、確かに言いませんね(笑)明らかにそれを分かってて敢えて言ってる帝王様が最高です。
 キャー助けて。想像出来ません……。

コメントありがとうございました>田中二郎さま

 田中二郎さま、こんばんは!
 王道な熱い台詞でしたね。私もここは素直にかっこいいと思いました。

> 同時に晩年のことを思うと(キングダム世界でどうなるかまだわかりませんが)切なさもあってなんとも言えない気持ちになりました。

 そうなんですよね…。キングダムではどう描くかは分かりません(ただ、以前どこかのHPで観たインタビューでは、最後まで「良き王」として描くつもりらしいですが…)が、晩年のあれこれを想うと、ちょっと切なくなりますね。キングダムではこの辺りをどう描くのか、注目しています。

Re: 本質

 カリツォさま、こんばんは!

> 「お前達は、人の本質を大きく見誤っている」

 政のこの言葉、ガツンと来ますよね。
 私も鷲掴みされました!

 次回は政の持論がいよいよ語られますね。しかも巻頭カラー…楽しみです!

コメントありがとうございます>TOさま

 TOさま、こんばんは!

> けれども、その終わらせる方法が問題なのです。

 終わらせる方法…難しいですよね。
 嘗て端和様が政に言ったように「そんな話を聞く王がいると思うのか」というのもまた事実。…かといって、富で繋ごうと言っても、それもどこかに欠陥があり、じゃあ政が考えたように力づくで…となれば、そこは作中でも語られているように、多くの怨念を産み、更に滅ぼされた国が奴隷扱いされる可能性も当然あって…。
 その辺りの問題はどうするのか?
 政が武力による中華統一を掲げるのであれば、やっぱりこの辺は聞きたいと思いますが…どうでしょうね…。

お久しぶりです

 ある意味で呂不韋の主張は、まさに「現代中国」なんですよね。

 それを作者が意識しているというのなら正に流石ですが。

 あと「文官の発想」という主張についても、だからといって「武官の発想」が正しいという事にはならない。

 あと今回「光」という言葉が出ましたが、それは同時に人の「目を潰し」「身を焼き尽くす」事も出来る。

 あの「太陽」とまで呼ばれた男「毛沢東」のように。

Re: お久しぶりです

 陣さま、こんばんは。お久しぶりです!
 政と呂不韋の対峙も大詰めを迎えましたね。作者はもしかしたら、現代中国の思想も意識されているかも知れませんよ。

 呂不韋の主張にせよ政の主張にせよ、完全にどちらが正しくどちらが間違ってる、という事は言い切れない部分があるのでしょう。
 結局の所決着は咸陽での「武」の決着に委ねられましたが…。
 太后がこの状況で何を想い、発言するかも気になっています。
プロフィール

星野 海紀

Author:星野 海紀
徒然なるままに様々な事を書き綴っています。現在は「キングダム」&「ゴールデンカムイ」、「テラフォーマーズ」に熱いです。他に聖闘士星矢や遊戯王、旅行記等、話題の範囲は広いです(笑)

連絡先:natch.2002ina★gmail.com (★をアットマークに変えて頂ければと思います)

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