キングダム第433話「謀略の崩壊」

 こんばんは、星野です。
 長い、長い戦いでした。………その戦いに、遂に終止符が……ッ!!!
 咸陽に響く歓声が新たな時代の到来を告げる、第433話。…王都奪還編の頃からずーっと読み続けてきた私にも、感慨深い回となりました…。
■感想御題:太后との約束がある。泣き叫ぶその声には複雑な思いはしますが…。ここは矢張り、勝利の歓声を!!!
 大将を討たれ、瞬く間に瓦解する反乱軍。
 貂はそのタイミングを見計らい、「壁」を解いてわざと敗路を作る事で、反乱軍の敗走を助長します。
 まだ圧倒的に兵数では負けている今、これはとても大事なこと。何せ「数ではこちらが勝ってるんだから!」と向かってこられたらひとたまりもないので、こうしてさっさと逃げ散らせる貂の判断は、介億先生も唸らせるナイス判断でした。
 さて、そんな弟子の働きに、更に介億先生ももうひと押し。
 わざと敵の背を押し、「一先ず退却だァ」とあちこちで声を上げさせます。
 戎翟公も言っていたように、所詮この反乱軍は烏合の衆。中には強制的に徴兵された兵達もいて、士気自体はちょっとした事で容易くゼロどころかマイナスまで下がってしまいます。そんな状態の中で「それは敵兵の声だ!」などというツッコミが通用する筈もなく、やれ前線から蒙武軍が戻って来るだの、桓騎軍が戻って来るだの。……そんな言葉に惑わされ、本当に、まるで砂の幻のように儚く、あれほどの大軍が為す術もなく敗走していきます。
 その様を、ロウアイは愕然と見つめていました。
 所詮お飾りの総大将。彼に、逃げ惑う反乱軍を鼓舞するカリスマも術もありません。
 兵の数はまだこっちの方が多く見えるのに。そんな事を言いつつも、ロウアイの側近達ももはやこの状況では逃げるしかありません。東へ。…自分達の「国」、アイ国へ逃げようと、馬車を動かしますが……。
 ロウアイは呟きます。東ではないと。
 行くべきは、西だと。…西へ。雍へ。

『先に行って待っているぞ。ロウアイ』

 ほんの僅か、嘗ての「美姫」の面影残る艶のある眼差しで、不敵に笑ってそう言ってくれた太后との、約束。それだけが、本来「下品な芸」だけが取り柄だった筈の男の、全てを支えていました。
「太后様と約束したのだァァ」
 咸陽を落として、雍へ迎えに行くと。
 ………しかしその約束も今は、儚く散り行きました。戦場に虚しく響くロウアイの声。
 自業自得とは言え、この二人のその後と、子供達二人のその後を想うと、矢張り少しだけ素直に信達の勝利を喜びきれないものはあります…。

 一方、反乱軍の敗走を知った樊於期も又、早々に脱出の算段を立てます。
 太子にはしっかり護衛をつけられ、直属の黒騎士団を咸陽に配備しておくなど、かなり用意周到だった軍総司令。…これじゃ誤算だらけじゃないかと毒づきながら、「所詮、我が人生浮上の階段は竹細工であったか」とどこか悟った事を心の中思う樊於期。
 しかしあの…すみません。
 あなたのご子息はあの………もう、とっ捕まってます………。
 樊於期がこの後どうするのか? その動向も気になります。

 しかしとにかく、咸陽は静けさを取り戻しました。
 生き残った人々は無事を喜び合い、向ちゃんも今はただ、反乱の収束に安堵の涙を流します。
 兄弟子・蒙毅と再会し、勝利を喜び合う貂。ホッとする尚鹿。並び立つ昌平君・昌文君コンビ。
 そしてこの場に欠かせないのは勿論…!

「昌文君。政の加冠の儀は!?」

 一番の親友の、一番の晴れ舞台を気に掛けるのは無論、飛信隊隊長・信です。
 勿論無事に執り行われたと答える昌文君。そしてその後に続いたのは、昌平君の「反乱の窮地も脱し、反乱の罪は呂不韋にまで及ぶ」という一言。
 それはつまり、呂不韋の権力の失墜を意味します。
 しかしそれでも、信には疑問が残りました。それはむろん、「何故呂不韋を裏切ったのか?」
 今までだって、彼は呂氏四柱の一人として十分すぎる程権力の座にいました。…あのまま呂不韋の下に付いていても、十二分に美味しい思いを出来た筈なのです。
 それなのにわざわざ暗号文で呂不韋の反乱を知らせ、今また自らこうして戦場にまで来てくれた。
 それは何故なのか?

「私も中華を統(と)ることを夢に描く男の一人だ」

 答えは極めてシンプル!!
 呂不韋よりも、政こそがその夢を預けるに足る器と判断したから、政の側に付く事を選んだ、と…。
 この理由には昌文君も驚いたようですが、それより何より、昌平君に仕える介億達だって、この件に関しては非常にやきもきしました。
 けれど、失敗すれば全てを失う覚悟で、政の側に付く事を選んだ主君に付いて行った。
 介億達も又、かなりあっぱれな家臣です…!!

 信にはまだ、何か思う処はあるようですが、それでも。
「今回はマジであんたに救われた。秦王 政に代わって礼を言うぜ昌平君」
 
 例によってタメ口。
 しかも、皆がツッコミまくっているように、「何故お前が大王様に代わって!?」な政の代理発言。
 もはや無礼もここに極まれり!! ここまで来ると、いっそ清々しくて怒る気にもなれないかも(笑)

 さてさて、それともう一つ、逃げて行った反乱軍の方も、このまま放っておいて良いかどうかは当然気になります。
 …武将Aが「切り替わりが早い…」とひっそり心の中で突っ込んでますが、こういう切り替えの早さこそ、信の長所でもありますからね(^^;)
 しかしそれについても、流石は軍総司令。
 既に対策済みでした。
「趙前線の桓騎軍を呼び戻している。函谷関辺りで交戦となり、討ち取るであろう」
 …ここでも介億の後ろの武将Bさんがひっそり心の中で思っていますが………。

 桓騎軍ですか。

 ………嗚呼………。(合掌)
 反乱軍の末路を想うと、若干同情を禁じ得ません………。
 ロウアイもきっと、こいつらにと思うと………。

 しかし。
 全て心配ないと知って、信は本当に心からホッとしたようです。長い長い、戦いでした。
 弟にまで玉座を追われ、暗殺されかけても何も言えず、玉座に八つ当たりする姿を目の当たりにし。…その後も何度も何度も窮地に立ち、合従軍の時には本当に落城寸前の死線も共に闘ってきました。
 いつだって大王・政を護って来た金剛の剣。
 感慨深い瞬間です。

 しかしこの諸々の「意味」を、自分ではなく昌文君に言わせる処が、何とも粋だねぇ! と思いました。
 信も本当にイイ男になったモンです…!!

「これは、我々の、いや…大王様の…………」

 嘗て趙から連れ戻した幼い政に、
『邯鄲では何も教わっていない。教育係を宜しく頼むぞ。昌文君』
 そう言われてから、ずっと傍にいて、誰よりも忠義を尽くして来た昌文君。
 あれからもう、何年経ったのか。

「これは…即位されてから、き 九年に及ぶ……」
「呂不韋との長き戦いにおける…だ 大王様のっ…完全勝利だ!!


 いやいや、そこは「大王様と我々の」勝利だ位言っても良いですって昌文君!! (ノД`)・゜・。
 感極まり、涙と共に宣言されたその言葉。
 ここに今、秦王・政による時代が幕を開けました。

 泣ける。…これは泣ける。
 頑張れ! 言い終わるまで泣くんじゃない!! と思いつつも、これは泣けます。

 次号、雍にこの知らせが届くようですね。
 太后様と、呂不韋と、ロウアイと。
 それぞれの結末も、もうすぐ近づいて来るようです……。
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信の笑顔

おはようございます。
いつも読ませて頂いています。

今週は勝利という結末も感慨深いものがありますが、私は信のあの笑顔に心打たれました。
目を細めて心からホッとしたようなあの笑顔、信もこんな表情するんだなぁ…って思いました。

政と出会い9年、まずは実権を取り戻すという最初の区切りにたどり着いた。
本当に本当にこの日が大きかったということの表れですね。

このあと最後の仕上げもまだ残ってるわけですが、ともかく本当にお疲れさまでしたって大王派の皆様に言いたいです!

本当に長かったですね!

管理人さま、こんにちは!
ついに決着しましたか。太后とロウアイは自業自得で良いのですが、子供達は…。しかたないとはいえキングダムでどのように描かれるのか見てみたいです。ハンオキはお頭から逃げられるのか?ロウアイもそこで終わりでしょうね。でもアイ国は誰が攻めるんだろ?蒙武かな?
来週はこれで見納めになりそうな呂不意のリアクションが楽しみ!

コメントありがとうございました!

皆さま、こんばんは。
コメントありがとうございました!

>danさま
こんばんは。本当に…、本当に、長かったですね。
太后様とロウアイの子供に関しては、どの様に描くか気になりますね。…樊於期があのお頭から逃げられるとも思えませんが、どんな風に立ち回るか、ちょっと見物かな…と思っています。
アイ国は、そう言えば誰が攻めるのでしょうね…。
蒙武か、それとも反乱軍を討った後、そのまま桓騎軍か…!?
いずれにせよ、悲惨な事になる未来しか浮かばないですね…。

>ぷーすけ さま
こんんばんは! いつも読んで頂いて、ありがとうございます。
信のあの笑顔、本当に印象に強く残りましたよね…! 勝利が確定したとはいえ、戦場の只中で、あそこまで安堵した表情を見せた事は、今までは無かったですよね。
まだまだ今後、呂不韋の断罪という大仕事がありますが、私も今は、大王派の皆さまに心からお疲れ様でした…!! と言いたいです。

子供たちは、今回出番無かったキョウカイが「殺した」「そこで拾った」とか言わないかなと、ヌルい事を。

政的には弟たちですし、あんまり苛烈な話にはしないと思いたいです(汗)

No title

管理人さま、こんにちは☆更新、お疲れ様です^^

本当(物語の中でもリアルの時間でも)長かったですね!
物語はまだまだこれからとは言え、始まりからの一つの、大きな戦いに今終止符が打たれました。月並みですが、僕も読みながらちょっと涙ぐみました(内緒w)

閑話休題

今回の話、僕的には昌平君の寝返りの真相を聞いて、政の勝利を確信した後の信の「へへっ」と笑う笑顔。これに全て持っていかれました(笑)この信の笑顔を見た瞬間、票と木刀をふるっていた、昌文君と初めて出会ったころの幼い信の姿がダブりました。ああ、信はやっぱり、いろいろ成長しても根っこは全然変わってないんだなぁ、と。

だから余計に、「あんたの口から言ってくれよ」の台詞が胸にすっと沁みわたりました。きっと信の中にも、幼いころの意味も分からず語っていた夢、昌文君、そして政との出会い、今の自分に繋がる様々な想いが去来してたんだと思います☆

さて、次号でキングダム第一部?にけりをつけて、これからはいよいよ、中華制覇編ですかね^^

楽しみです☆

コメントありがとうございました!>ラウさま、うえでんさま

>ラウさま
こんばんは、コメントありがとうございます!
子供達に関しては…難しいですよね。出来れば私も温情措置を期待したいですが…。この辺り、羌姐ならサラッとやれそうですね。。

>うえでんさま
信の「へへっ」と笑う笑顔、あれはほんとに今週のベスト・ショットですよね。彼の中にも、本当に色んな思いが去来していた事と思います。
雍では呂不韋や太后がどんな対応をするのでしょうね。
長きに渡る決着が着いたら、いよいよ中華へ乗り出しますね。中華へ進出する新展開も、まだ少し気が早いですが楽しみですね!

政と呂不韋の決着がつきましたね。実際にはもっと先になりますが。
戎籊の民や強制徴兵された人々の処遇についても気になります。また反乱を起こさないよう戎籊人が抑圧されたり、強制的に招集された人々も厳しい処罰をされたりするのは何ともいたたまれないです。

No title

太后の子どもたちは誰が手をかけるのか…

私の予想では趙高ですね。

もはや太后の後ろ盾を得られなくなる今、政に取り入るために行動しそう。

政もその点については苦い想いを抱えつつ、

「後宮を束ねることが出来るのは趙高しかいない」

ということで趙高を受け入れるのでは。

コメントありがとうございました! >むむ さま、TOさま

 こんばんは、コメントありがとうございました!

>むむさま
 趙高…! その考えもあるかもですね…。
 趙高の場合、太后に対してちょっと歪んだ情愛のようなものも感じるので、それがどう転じるか…も気になる処です。
 仰るように「政に取り入る為」に子供を差し出すというのもあるかもですし、太后の幸せを邪魔した復讐をいつかする為にも、何がなんでも取り入って…と考えて子供を差し出す、という事もあるか知れないと思います。

>TOさま
 今回の反乱、確かに強制的に徴兵されて、何も分からずに反乱軍にされてしまった人達や、戎翟のその後は気になりますね。
 戦乱の世を、怨嗟の連鎖を断ち切る為にも「俺の代で終わらせる」と行って見せた政が、こういった人達をどう扱うのか、容赦なく裁くのか、それとも温情を与えるのか。どう描かれるのか、注目ですね。
 あまり厳しい処罰は勘弁して欲しいものですが…。どうでしょう…。
プロフィール

星野 海紀

Author:星野 海紀
徒然なるままに様々な事を書き綴っています。現在は「キングダム」&「ゴールデンカムイ」、「テラフォーマーズ」に熱いです。他に聖闘士星矢や遊戯王、旅行記等、話題の範囲は広いです(笑)

連絡先:natch.2002ina★gmail.com (★をアットマークに変えて頂ければと思います)

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