■感想御題:李園が結構なやり手&カ燐様の回想がやがて来る…?? そして飛信隊には、あの男が!!! さて。
…前回、李園から宰相の席に座ってくれと頼まれたカ燐。ここからは項翼達も席を外し、李園との一騎討ちとなりました。
こんなにも緊迫する所でお酌をする女の子が可哀想過ぎる…(涙)ものすごいビビッてる感じが何とも言えません。一滴たりともこぼした日には、もう命は無いわ的な感じです。
そんな少女を見かねたのか、李園は彼女を下げさせました。
…良かったね女の子…!!
そしてここからが本題です。
結局の所、何故に李園は春申君を暗殺したのか?
大体のあらすじについては先週号で語られましたが、その事情はなかなか複雑なものでした。
まず、考烈王には子供がいませんでした。そしてここから先が問題で、そうなると王家の血脈的に王弟が王位を継ぐ事になるのですが…。
この弟が、綺麗になる前の成蟜より遥かにヤバい奴でした。
何ぞこの状況。 ヤバイ…こいつに国は継がせちゃならねェ、と一発で分かるかっ飛びっぷりです。
さて、このままこの弟に国を継がせたらさあ大変。…そんな中、春申君の妾だった李園の妹が子を身籠りました。
それを知った春申君と李園は、このまま王弟に国を継がせる位なら…と、李園の妹の子を考烈王の子という事にし、男子であれば王位を継がせようと考えます。
そしてなんとこの一件、考烈王も乗っていたのです。余程この弟には王位を継がせちゃならねェと思ったのでしょう。本来ならありえない、
王家の血脈を変えるという暴挙をかます覚悟を決めてしまったのです。
カ燐も指摘していましたが、王家の血脈というのは矢張りとても重要なものでしょう。
しかしそれでも…! という話だったのですが。
春申君は考烈王の死後、突如矢張り王弟に王位を継がせようと言い出しました。
その胸の内は李園にも不明。…まさか怖くなったという事もないでしょうが、ともかく春申君は、やはり裏でひっそり王家の血脈を変えてしまう事の方が、暗君を出すより罪が重いと言い出し、やっぱりやめようと主張したのです。
王の死を知った時の春申君の様子を見るに、それ程考烈王への、そして「王家」というものへの思い入れがあったという事なのでしょうか…。
それはともかく。
もはや舟はとっくに出航してしまったのです。…ここまで来てやっぱりやーめたは出来る筈ありません。しかも事が露見すれば、当然李園も春申君も、そして李園の唯一人の妹も死罪です。
「身内愛のために春申君を殺ったのかよ」
「半分はな。たった一人の妹だ」
「……爆笑」
「なぜ笑う。……君も、
少女の時唯一人の身内の弟を探して荒野をさまよっているではないか」
…ここで何か、さらっとカ燐様の過去が………。
恐らく何処かの戦場跡でしょう。弟はもしかしたら、彼女と一緒に戦で戦っていたのかも知れません。ボロボロの姿で剣を持つその後ろ姿は、カ燐もまた少女の頃から戦場で戦っていた、まさに叩き上げの人なのだろうという事を思わせます。
哀しい過去来るか!?
そして李園がカ燐を「君」と呼んだのが印象的でした。年齢的には李園より若いんですかね…カ燐は…。
さて、その過去は彼女にとって触れられたくないものだったようです。
「おい。死にてぇのか。お前」 弟は結局見つかったのか?
その辺は謎ですが、この反応を見るに…という事でしょうか。
いずれにせよ李園はこの話はここで切り上げ、ともかく「こちらも必死ということを分かって欲しかった」とだけ言います。
「――んで? 必死さあまって刺客送りましたってか」
「……あぁ。お互いにな」
そしてここでカ燐様もさっとスイッチを切り替える辺りに、相当なやり手だと感じます。
自分の感情を徹底してコントロールしているというか…ある意味、戦場で戦う将には必要なものでしょうが、この辺流石と感じます。
そして当然刺客はお互いに送っていた訳で、結局李園が生き残った。それが今回の春申君暗殺劇の真相です。
ここで李園は再び話を戻します。
つまり、列国が牙を向ける前に、とにかくこの楚を立て直さなければならない。そこでカ燐に宰相になって力を貸してくれと頼んで来た訳ですが…。
「だったらてめェが一人で宰相やれよ。元々席は一つだ」
あくまでカ燐は政に興味はありません。しかし、李園は更に言います。
「それでは普通の国として復活するだけだ」 ………そしてここで、「東の大将軍」項燕の名が。
項燕はこう言っています。
「中華最大規模を誇る楚軍はまだ、その力を最大限活かしきれていない」
………と。
その言葉は、武将であるカ燐の心にも響くものがあったようです。
それに加え、李園の主張に何かしら思う処でもあったのか、彼女は遂に宰相の席に付く事を承諾しました。
――それから僅か一か月。
王宮内の混乱はウソのように鎮まり、宮廷内は既に一つにまとまっている。…そんな報告が昌平君の元へ届いていました。
趙には李牧。
秦には我らが昌平君。
そして、楚にはカ燐。
生粋の軍人であり軍略の天才たる人材がまた一人、政治面でも台頭して来たのです。
一度はこの機会にと楚を急襲しようと考えていた昌平君ですが、それを見送る事に決めました。楚を攻略する事が先送りとなった訳ですが、それはこの昌平君にとって良かったのか? …「蒙武と楚子」を読んだ後だと少し複雑な気持ちになります。
さて、ここでカメラは飛信隊へ。
相も変わらず羌姐とやり合っている信ですが、なんだかんだ押されてはいても、昔よりまともな勝負になっている気が…!? こと剣技に関しては羌姐も手を抜くとは思えないので、矢張り信、武力面でも相当成長しているようですね。
しかし飛信隊のギャラリー達。
「斬れてるって副長」
「ぎゃはははぶっ殺せェ」
…相変らず隊長・副長への愛を感じる声援です(笑)
そんな彼らを脇目に副官・渕さんからの報告を聴く貂ですが、どうやら次の戦の指令が来たようです。どうやら、昌平君は標的を楚から趙へと変えたようです。
「趙のどこだ!?」
そういう話は斬り合いの最中でもしっかり聞いている信が流石ですね(^^;)
「話は聞いてんだ」
と冷めた口調で返す貂、もはやこの二人の斬り合いが完全に日常茶飯事状態なんだなあ…と改めて思いました(^^;)
さて、次の戦場ですがそこは黒羊丘。相当大きい規模のようです。
我呂さん曰く、そこは黒女川の五丘地帯と呼ばれる場所であり、相当攻めにくいようです。
その規模は飛信隊単独で出来るものではないようで、その攻略軍として、五万もの本軍が乾水を通って東へ進んで来ているとの事。飛信隊はその軍に合流せよというのが総司令からの指令でした。
さて、その軍ですが………。
何故か言い難そうにしている貂。
そこへ、怪しさ満載の伝令が!!!
お前のような伝者がいるか。 飛信隊の皆さんのツッコミは全くその通り!! と言わざるを得ない!!!
あの特徴的なヘアースタイル。
「飛信隊の信にこれっ…伝令っ。オッ オギコのっオギコからの伝令ェェェ大切なっ」 ………そう忘れ得ぬその名前。その口調。
「あ、じゃなかった、お頭からのォォォ。へ―――ぶしっ」 そしてお約束のこのくしゃみ。
その階級は今、千人将から更に昇格していたりするのでしょうか…(^^;)
何だあいつ…。
それしか他に言葉が見つからない………。
という訳で、次なる飛信隊の戦場は黒羊丘。…そして、共に戦う軍は、あのお頭の軍!!!
こいつは波乱の幕開けかァッ!? 人林を作っちゃうような人達と飛信隊…もうぶつかる未来しか…ッ。
ドキドキしつつ、次号まで待機じゃあ!!!
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